ゴシックアーチ検査について
ゴシックアーチ検査は、上顎の位置関係や下顎の動きを精密に評価するための検査です。 この検査により、上顎の位置関係を正確に記録し、入れ歯の噛み合わせに反映させることが可能です。その結果、食べ物を最も噛みやすい位置に歯を配置でき、さらに入れ歯を歯ぐきにしっかりと密着させることで力を加えることができます。
入れ歯は、上顎の位置関係が不正確なまま作成すると、痛みを感じる・物がうまく噛めないといった入れ歯になるリスクがあります。そのため、入れ歯製作においてゴシックアーチ検査は非常に重要なステップであり、当院で制作する入れ歯の特徴の一つです。
ゴシックアーチ検査の仕組み
ゴシックアーチ検査では、上顎の装置に取り付けた板と下顎の装置に取り付けた針を使用します。噛み合わせた際に。板と針が一点で接触する仕組みになっています。ネジ式の針を0.1mm単位で上下させながら、もっとも適切なかみ合わせの位置を測定していきます。
さらに、上顎の板にインクを塗り、下顎の針を使って下顎の動きを記録することで、入れ歯の歯の形を顎の動きに合わせて微調整することが可能になります。
顎関節の動きにしっかりと合わせることで、強く噛んだ場合でもしっかりと固定される使いやすい入れ歯を作成すること可能です。
一般的な「ろう堤法」の課題
ゴシックアーチ法を使用しない場合、上顎の位置関係を記録する方法として「ろう堤法」が使われます。ろう堤法では、ろうで作成したアーチを上下の装置にセットし、熱でろうを柔らかくして形を整えた後、顎の位置を記録するために上下にかんでおこないます。 ただし、この方法にはいくつかの欠点があります。
①高さの調整が難しい
手作業でろうを調整するため位置合わせが難しく、精密な位置を設定できない。
②正確な平面形成が難しい
人の手で行うため、ろう堤を正確に平面にすることは非常に困難です 。とくにかませた際に上下の位置を合わせることは技術的に難しいです。
③下顎の動作を記録できない
ろう堤法では下顎の動きを記録することができないため、顎の運動に対応した調整ができません。下顎の動きを記録することは非常に重要です。ゴシックアーチ法では、上顎の装置に描画針を取り付け、下顎を前後に動かすことで描画板にその軌跡を記録します。 左右に動かす場合には斜めの線として描かれ、カチカチといったリラックスした動きを赤い点で記録します。この赤い点が矢印の頂点に集まる状態を顎関節の安定と診断するのです。
ゴシックアーチ法は、医学的な見地からみても、ろう堤法に勝る点が多いと考えられています。
ゴシックアーチ検査を行わない場合、顎の動きに関する情報が得られないため、入れ歯や被せ物を作成する際に正確なかみ合わせがわかりません。特に、カチカチ運動にブレがあるかどうかも、この検査がない場合には全く判断ができないのです。
ゴシックアーチ検査は、かみ合わせに関する多くの情報を得られる非常に有用な検査です。
完全に完璧なものというわけではありませんが、よりよい入れ歯を制作されるにはおこなうべき方法です。
当院では、患者様1人1人にあったオーダーメイドの入れ歯にこわだっています。
特殊で手間のある検査を実施しながら、正確な情報をつかみ、当院にしか作れない入れ歯を提供しています。
今使っている入れ歯が使いづらいな…
噛んだ際に、痛みを感じる…
食事をする際に強く噛めない…
などのお悩みがありましたら、当院までご相談下さい。