2026.05.01
入れ歯を外したままは危険?『噛む力(口腔機能低下症)』と認知症・フレイルの深い関係
【竹村歯科クリニック 院長:竹村 洋志からのご挨拶】
はじめまして。愛知県春日井市の竹村歯科クリニック院長、竹村 洋志です。
当院では「治療を通じて、これからの患者様の豊かな人生を守る」ことを信念に、お一人おひとりに最善を尽くす診療を行っております。
今回は、ご高齢の患者様やそのご家族から非常にご相談の多い「合わない入れ歯の放置」と「認知症・お口の衰え(オーラルフレイル)」の深い関係についてお話しいたします。大切なご家族の健康と笑顔を守るヒントとして、ぜひ最後までお読みください。
「最近、親の物忘れが増えてきた気がする…」
「入れ歯を入れるのを面倒がって、外したまま過ごすことが多くなった」
もし、ご家族にこのような様子が見られたら、少し注意が必要です。
実は、「噛む力」が衰える口腔機能低下症(オーラルフレイル)は、単に食事がしづらくなるだけでなく、「脳の働き(認知機能)」や「社会との関わり」にまで深刻な影響を及ぼすことが近年の研究でわかってきました。
合わない入れ歯を我慢したり、外したまま放置したりすることは、脳への刺激を減らし、心身の老化(フレイル)を一気に加速させる引き金になります。本記事では、竹村歯科クリニックが専門的視点から「噛むことと脳・若さの関係」を紐解き、いつまでも自分らしく生きるための「ぴったり合う入れ歯治療」について詳しく解説します。
1. 「入れ歯を入れるのが面倒…」その油断が脳と身体を老けさせる?
「痛いから」「違和感があるから」と、食事の時以外は入れ歯を外してしまったり、ひどい時には一日中外したまま過ごしたりしていませんか?実はこの習慣は、お口の中だけでなく全身の急速な老化を招く大変危険なサインです。
口腔機能低下症(オーラルフレイル)は静かに進行する
年齢とともにお口周りの筋力が衰えることを「オーラルフレイル(お口の虚弱)」と呼びます。「以前より噛めなくなった」「滑舌が悪くなった」といったささいな変化から始まり、放置すると病的な「口腔機能低下症」へと進行します。入れ歯を外したまま過ごすことは、お口の筋肉を使わない「廃用症候群(使わないことで機能が衰えること)」を自ら引き起こしているのと同じであり、オーラルフレイルを急激に悪化させてしまいます。
「痛いから外しておく」が招く取り返しのつかない骨の吸収
「しばらく外しておいて、出かける時だけ着けよう」と思っても、長期間入れ歯を入れていないと、いざという時に全く合わなくなってしまいます。歯を失った顎の骨は、噛む刺激が伝わらないと体の中で「不要なもの」とみなされ、どんどん吸収されて痩せ細っていきます(顎堤吸収)。骨が平らになってしまうと、どんなに腕の良い歯科医師でも入れ歯を安定させるのが極めて困難になり、一生「しっかり噛めない」状態に陥るリスクがあるのです。
2. 噛む力(お口の機能)と「認知症」の深い関係
口腔機能低下症が恐ろしいのは、お口の中だけの問題に留まらない点です。近年、歯科医療と全身疾患の研究が進み、「噛む力」と「認知症」には密接な関係があることが明らかになっています。
噛む刺激は、脳への「極上のマッサージ」
私たちは無意識に食事をしていますが、「噛む(咀嚼する)」という運動は、顎の筋肉を動かすことで脳への血流量を大幅に増加させます。特に、記憶や学習を司る脳の機関「海馬(かいば)」や、思考・意欲に関わる「前頭葉」が強く刺激されます。つまり、毎日自分の歯やピッタリ合う入れ歯でしっかり噛みしめることは、脳に新鮮な酸素と栄養を送り込み続ける「極上のマッサージ」をしているのと同じなのです。
歯を失い、噛めない人ほど認知症リスクが高いというデータ
厚生労働省の調査データなどでも、歯がほとんどなく、入れ歯も使用していない人は、歯が20本以上残っている人に比べて認知症の発症リスクが最大で約1.9倍も高くなることが報告されています。逆に言えば、たとえ自分の歯を失ってしまっても、自分に合った入れ歯を入れて「しっかり噛む機能」を回復させれば、認知症のリスクを健康な人と同等レベルに抑えられる可能性があるということです。
柔らかい食事ばかりでは脳は刺激されない
「入れ歯が痛いから、お粥やうどん、豆腐ばかり食べている」という方は要注意です。栄養自体は摂れていたとしても、「力強く噛み砕く」という工程が省かれているため、脳への血流アップは期待できません。脳を若々しく保つには、お肉や野菜など「ある程度歯ごたえのあるものを、しっかり噛んで味わう」ことが不可欠なのです。
3. 「滑舌の悪化」と「老け顔」が招く”社会的フレイル”の罠
合わない入れ歯の放置は、見た目や心にも大きな影を落とします。これが「社会的フレイル(他者との繋がりが減少すること)」と呼ばれる、寝たきりへのもう一つの入り口です。
口周りの筋力低下が招く「老け顔(シワ・たるみ)」
入れ歯を外していたり、噛む回数が減ったりすると、口の周りを囲む「口輪筋(こうりんきん)」をはじめとする表情筋が急速に衰えます。筋肉が衰えると、口角が下がり、ほうれい線やマリオネットライン(口元のシワ)が深く刻まれ、頬がこけて実年齢よりも一気に老けた印象(老け顔)を与えてしまいます。「最近、親が一気に老け込んだ気がする」と感じる場合、実はお口の機能低下が原因かもしれません。
合わない入れ歯で「話すこと」が億劫に
入れ歯が合っていないと、空気が漏れて「サ行」や「タ行」が発音しづらくなります。また、会話の途中で入れ歯が外れそうになる恐怖から、自然と口数が減ってしまいます。話すたびに聞き返されたり、入れ歯を気にして口元を手で隠すようになったりすると、コミュニケーション自体がストレスになってしまいます。
人と会わない・笑わない→「社会的フレイル」からの認知機能低下
「見た目が老けた」「うまく話せない」「外食で硬いものが食べられない」。これらが重なると、ご高齢の方は自信を失い、友人とお茶に出かけたり、地域の集まりに参加したりすることを避けるようになります。こうして社会から孤立していく状態を「社会的フレイル」と呼びます。人と会わず、笑いあう機会が減ることで、脳への刺激はさらに失われ、認知症のリスクを加速度的に高めてしまうという恐ろしい連鎖が起こるのです。
4. 脳を刺激し、若々しさを保つ!竹村歯科クリニックの入れ歯治療
「ただ欠損を埋めるだけの入れ歯」と、「脳に刺激を伝え、若々しさを取り戻す入れ歯」。竹村歯科クリニックが提供するのは、圧倒的に後者です。一般的な「作って終わり」の診療とは異なる、当院ならではのアプローチをご紹介します。
「噛みしめられる」精密な入れ歯作りへのこだわり
脳へしっかりとした刺激(咬合力)を伝えるためには、歯ぐきに吸い付くようにフィットし、体重をかけて噛みしめても痛くない入れ歯が必要です。当院では、保険適用の入れ歯はもちろん、より薄くて丈夫で、食事の温度を感じやすい「金属床義歯」など、質の高い自費補綴の選択肢も豊富にご用意しています。顎の動きや噛み癖まで緻密に計算した型取りを行い、違和感のない「体の一部」となる入れ歯を製作します。
お口周りの筋肉を蘇らせる「口腔リハビリテーション」
長年合わない入れ歯を使っていた方は、舌や頬の筋肉が衰えています。最高の入れ歯を作っても、筋肉が伴わなければうまく使いこなせません。当院では、新しい入れ歯を入れた後の「口腔リハビリテーション」を非常に重視しています。プロの歯科衛生士が、衰えた表情筋を鍛え直し、滑舌を良くするための「お口の体操」を優しく丁寧に指導。見た目の若々しさ(アンチエイジング)も同時に取り戻していきます。
ご家族と連携したサポートと「訪問診療」体制
口腔機能の回復には、ご自宅でのご家族のサポートが不可欠です。当院では、ご家族の方へ入れ歯の洗浄方法やお食事の工夫についてもしっかりとご説明します。さらに、将来的に足腰が弱り、通院が難しくなった場合でもご安心ください。竹村歯科クリニックは「訪問診療」に対応しており、ご自宅や施設にお伺いして入れ歯の調整やお口のケアを最期まで継続できる、頼れる「かかりつけ医」です。
5. よくあるご質問(Q&A)
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6. まとめ:しっかり噛める入れ歯は、最高の「アンチエイジング」
噛むことは、生きる喜びと脳の若さを保つ源
自分にぴったりの入れ歯を手に入れ、美味しく食事をし、家族や友人と自信を持って笑い合える生活は、脳を活性化させ、心身の若々しさを保つ最高の「アンチエイジング」に他なりません。噛む喜びを取り戻すことは、ご自身の健康寿命を延ばす大きな第一歩です。
「年のせい」と諦める前に、まずはプロにご相談を
「親の物忘れが気になる」「最近、口数が減って表情が暗くなった」――もしご家族にそんなサインを感じたら、それは「お口からのSOS」かもしれません。合わない入れ歯の放置は百害あって一利なしです。ご高齢の方ご本人は「痛い」と言い出せずに我慢していることも多いので、ぜひご家族の方から優しくお声がけをしてみてください。
川崎医科大学 口腔外科での勤務を経て、2000年に愛知県春日井市にて竹村歯科クリニックを開業。「目の前の患者様にとって最善策とは何かを問い続け、本当に望まれる治療を提供する」ことを理念に、地域医療に貢献。歯を抜かない予防治療から、精密な入れ歯治療、訪問診療まで幅広く対応している。
