2022.05.07
本当に恐ろしい歯周病が体にもたらす悪影響とは?
春日井市にある歯医者、竹村歯科クリニックでは、特に予防歯科に力をいれています。今回はその中でも歯周病のがもたらす体への悪影響についてお話をしたいと思います。
■心臓疾患や脳血管疾患との関連性について
以前にもお話をしていますが、主な歯周病の原因としては細菌感染です。皆さんもご存知の歯垢(しこう)と呼ばれる黄色い粘着物が徐々にお口の中で増え、やがてこの歯垢の中で酸素が少なくなり、嫌気性菌が増えてきます。
嫌気性菌は身体に侵入をこころみようと歯肉に対して攻撃してきます。体は侵入を阻止しようと攻撃をしかけることで歯周病の症状がでてくるのです。炎症のほか、出血もではじめ、これを放置してしまうと歯周ポケットに歯垢がつまり歯周組織を破壊してしまいます。
炎症が継続的におこり、またその際に発生する毒性物質が血管に流れ込み、全身にまわってしまうことで重大な病気を引き起こすリスクをあげてしまうのです。発症リスクをあげてしまうと言われている病気としては、糖尿病・心筋梗塞や脳梗塞のほか、低体重出産や早産が挙げられます。その他、高齢者について死亡原因の1つでもある誤嚥性肺炎にも深く関与している可能性もあります。
これら重大な病気の発症リスクを下げる意味でも、歯周病予防や悪化させないための早期の治療は非常に重要になってきます。まずは口腔内ケアや毎日の歯磨きについて見直していきましょう。
■心筋梗塞や狭心症について
心筋への血液供給が動脈硬化などで血管がせまくなり、少なくなったりなくなってしまうことで死亡してしまうリスクがある病気です。根本的な原因である動脈硬化に関しては、ストレスや生活習慣ももちろん考えられますが、それだけでなく、歯周病についての影響に関してもいわれるようになってきました。歯周病原因菌がもたらす刺激で動脈硬化のリスクを上げる物質を発生させ、血の巡りをさまたげてしまいます。
■脳梗塞
脳血管がつまってしまう恐ろしい病気です。健康な方にくらべ、歯周病に感染・悪化している方の発症率は2.8倍とも言われています。
■糖尿病
糖尿病と歯周病の関連性は以前より言われてきました。糖尿病の合併症として歯周病は考えられており、糖尿病を発症している方について、歯周病の発症率が高いという調査結果もあります。逆に糖尿病の改善により、歯周病の改善もみられるため、強い関連性があることがわかってきています。
■歯科として、全身の健康維持に貢献できること
これまでお話したように、歯肉が炎症してしまうことで、全身にかかわる疾患の発症原因となってしまうリスクがわかってきています。食生活や生活習慣、口腔ケアを見直すことで歯周病予防や全身の健康を守ることにつながってきます。我々歯医者は口腔内におけるプロ集団であり、患者様の健康維持のために治療だけではなく、予防の重要性やケアをおこなっています。正しい口腔内ケアは1人では難しく、一般的なケアだけでは汚れをおとしきることは難しくもあります。定期的に歯医者を受診することで正しいケアをおこなっていきましょう。
愛知県 春日井市 竹村歯科クリニック
歯科医師・院長 竹村 洋志