歯の中には、痛みを感じるための神経や栄養を送るための血管が通っています。
ちょうど歯の根の部分ですが、これを根管といいます。

炎症・感染を起こしてしまった根管を治療ことを根管治療とよび、しっかりと歯を残すためには、この根管治療をしっかりと行う必要があります。

根管治療を必要とするケースは、なんらかの原因で歯に亀裂がおこったり、事故などが要因となる外傷などがあります。その中でもっとも多いのが、神経まで虫歯が到達してしまった場合です。


神経まで到達してしまった虫歯の場合、ズキズキとした痛みが走ります。

これは、虫歯の菌に神経が汚染されて死滅してしまっており、根管治療を行うことで、歯の根を洗浄する必要があります。根管治療には2種類あり、抜髄とよばれる根管を消毒する治療と、感染根管処置という治療箇所が再度細菌感染をおこしてしまった際におこなわれる治療にわかれます。

これらの治療を施すことで歯の根を消毒し、炎症・腫れを防いでいきます。もしも治療を行わず、悪化してしまった場合には、リンパ節の腫れや顔の腫れなどし、発熱を伴いさらに重い症状が現れるケースもあります。

●根管治療をおこなう利点について

根管治療をおこなう理由でもっとも大きなものは、天然の歯を残せる可能性が高まる点です。
深い虫歯の場合、すこしでも早く痛みを解消したいと抜歯を望まれる方もいらっしゃいますが、天然の歯は1度失ってしまうと2度と再生することはありません。

歯を失うことは、体全体の健康を損なうリスクを伴います。

抜歯したあとで、インプラントや入れ歯で補うことができますが、天然の歯と同様の機能は取り戻せません。

深い虫歯で治療したとしても、しっかり根管治療を行い、セラミックなどの天然歯に近い見た目の被せ物を使用することで、機能的な回復や審美性も保ったまま修復することができるのです。

その他、大きなメリットとして、強い痛みを解消することができます。

神経まで到達してしまった虫歯の痛みは、日常生活に支障をきたすほど不快なものになります。
ここまで痛みが悪化してしまい、我慢しきれずに痛みを解消したいと、急ぎ歯科医院を受診される方が多くいらっしゃいます。

このような症状でも、抜髄をおこなうことで、神経を取り除き、痛みを抑えることができます。

●根管治療を行うことでおこるリスク